足袋をあつらえたら、次は履き物。京葉道路と清澄通りの交差点そば、「岡田屋」さんがいい。こちらも相撲取り用の特注下駄や雪駄を長く手がけているお店だ。
「曙関の足は33センチもあるので、型から起こします。そんなふうに普段から大きいものをつくってますから、たいがいの方に合う下駄は揃います。最近は足の大きいお嬢さんが多くなって、『デパートじゃ合うのがない』っていらっしゃることも多いですね」。3代目のご主人・岡野耕二さん(72歳)は、テレビの時代劇で番頭さんが座っているような畳敷きの“カウンター”に正座し、ていねいに話してくださる。
「これは座売りと言いまして、少し前までは、ここでお客さまとお茶を飲みながら、鼻緒を選んだりしていました」。出来合いの下駄を買うときでも、当然のこととして鼻緒を調節してくれる。鼻緒のついてない下駄を奧から出してきて、目の前でつけてくれることも多い。正に「自分の下駄」という感じだ。普通の下駄なら3000円くらいから買える。
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