そろそろ両国駅に向かって歩いてみよう。東口駅前の細い路地に、夕方ともなれば行列のできる寿司屋がある。「亀井鮨」さんだ。

少々待っても食べたい、というお客さんの気持ちは良くわかる。何しろ安いのだ。食べるだけなら２５００円、お酒を飲んでも４０００円程度の予算とのこと。「たいてい『こんなに安くて大丈夫なの？』と聞かれます。私は、利益よりお客さんに喜んでもらいたいと思いますから」。４代目で専務の柴崎明さん（47歳）は、人なつこい笑顔でそう語る。「少し前までは１カン３００円が上限だったんですが、ある時いいトロが入りまして、『５００円とお高いですが』と断って出したら大人気になったんです。これが今、一番高い」というエピソードも、このお店の姿勢をよく表している。
もうひとつの特徴は、『温かく、量の多いシャリ』だ。「親父の時代に、安く腹一杯食べてもらおうと始めたんです。でも今は女性でもいける大きさです」。安心してどうぞ。